秋の心地よい空気が去ると、間もなく厳しい寒さがやってきます。
雪がちらつくことも増え、服装は暖かさを重視したものへと変わっていく時期です。
ところで、「冬の本格的な始まりはいつなのだろう?」と考えたことはありませんか?
11月や12月には冬の気配を感じる日も多いですが、明確に「冬」と言える時期を判断するのは意外と難しいものです。
この記事では、冬の始まりと終わりをさまざまな角度から考察します。
気象学、旧暦、さらには天文学の視点から、多面的に冬の期間について解説しますので、ぜひ最後までお楽しみください。
冬の期間をどう定義する?各視点からの考察
冬がいつからいつまで続くのか、この疑問には一つの正解があるわけではありません。
さまざまな視点から冬の範囲を見てみましょう。
気象庁による冬の定義
気象庁では、冬を12月から2月と定めています。
この期間、日本海側では雪が多く降り、3メートル以上の積雪が記録される地域もあります。
一方、太平洋側では晴れの日が多く、天気の特徴が地域によって大きく異なります。
北海道では氷点下の日々が続く一方、沖縄では15℃を超える比較的暖かな日もあるなど、
日本国内での気温差が顕著な季節です。
四半期としての冬の見方
会計年度や学期区切りで用いられる四半期の視点では、冬は1月から3月とされます。
この期間は卒業式などのイベントが多く、季節の移り変わりを実感する時期でもあります。
1月は雪が降りやすい時期であり、3月末には桜が咲き始め、春の訪れを感じられる美しい時期へと移行します。
天文学的な冬
天文学では、冬至から春分までの期間が冬とされています。
例えば、2023年の冬至は12月22日、2024年の春分は3月20日です。
この定義に基づくと、2023年の冬は12月22日から2024年3月20日までとなります。
インターネットで「冬の期間」と検索すると、この天文学的な定義がよく紹介されています。
旧暦による冬の考え方
旧暦には「月切り」と「節切り」という2つの方法で冬を定義する見方があります。
- 月切りによる冬
旧暦の十月から十二月が冬にあたります。2023年の場合、十月は11月13日から始まり、
十二月は2024年2月9日まで続きます。この見方では、冬は11月13日から翌年2月9日までです。 - 節切りによる冬
「二十四節気」に基づく方法で、立冬から立春の前日までを冬とします。
具体的には以下の通りです:- 立冬:11月7日頃
- 小雪:11月22日頃
- 大雪:12月7日頃
- 冬至:12月21日頃
- 小寒:1月5日頃
- 大寒:1月21日頃
この方法では、冬は11月7日から2月3日までとなります。
冬の期間は見る視点によって異なります。気象学的な定義や天文学的な基準、旧暦の見方など、自分の興味に合わせて最も納得できる方法で冬を捉えてみてはいかがでしょうか。
冬の始まり、最も寒い時期、そして雪が降る季節について
冬の訪れはいつから?
寒さが増すと冬を感じますが、「具体的に寒さが始まるのはいつ?」と疑問に思うことがあります。
寒さの感じ方には以下のような目安があります:
- 少し涼しいと感じる:15℃~22℃
- 寒さを意識する:8℃~14℃
ただし、体感温度は気温そのものだけでなく、季節の移り変わりや環境によっても変わります。
例えば、夏が終わった直後の15℃は冷たく感じますが、厳しい冬を経験した後では暖かく感じる場合もあります。
東京の12月の平均気温を見ると、月初には最高気温が14℃ほどあり、徐々に下がっていくことから、冬の寒さは12月から始まると言えるでしょう。
1年で最も寒い時期はいつ?
多くの場合、1月下旬が最も冷え込む時期とされています。
2023年の東京の気象データでは、1月25日に最高気温が3.7℃という特に寒い日が記録されました。また、1月23日や27日も最高気温が7℃を下回る寒さでした。これらのことから、1月後半が年間で最寒期と考えられます。
一方で、12月の寒さはまだ穏やかで、2月になると冷え込みの日々が続くものの、月末に向けて徐々に暖かさが戻ってくる傾向が見られます。
雪が降るタイミング
冬を象徴する現象といえば、やはり雪です。日本各地で雪が降り始める時期と終わる時期を確認してみましょう。
地域 | 雪の降り始め | 雪の終わり |
---|---|---|
札幌 | 10月下旬 | 4月中旬 |
仙台 | 11月下旬 | 4月初旬 |
前橋 | 12月中旬 | 3月下旬 |
東京 | 1月上旬 | 3月上旬 |
名古屋 | 12月下旬 | 3月初旬 |
京都 | 12月中旬 | 3月中旬 |
大阪 | 12月下旬 | 3月上旬 |
鳥取 | 12月初旬 | 3月下旬 |
福岡 | 12月中旬 | 3月初旬 |
那覇 | ほとんど雪なし | — |
特筆すべきは、東京より南に位置する福岡の方が早く雪が降り始めることです。
これは福岡が日本海側に位置しており、太平洋側よりも寒気の影響を受けやすい地理的特徴があるためです。
地域ごとの気象条件の違いが、冬の魅力をさらに引き立ててくれますね。
まとめ
「冬はいつ始まるのか?」という疑問について、さまざまな視点から検討してきました。
冬の定義には以下のような異なる見解があります:
- 気象庁の基準:12月から2月
- 四半期の区分:1月から3月
- 天文学の観点:冬至(12月22日頃)から春分(3月21日頃)
- 旧暦の視点:10月から12月(「月切り」)または立冬から立春の前日(「節切り」)
これらを踏まえると、一般的に12月から2月が「冬」と認識される期間として適していると言えます。
ただし、日本国内では地域ごとに冬の様相が異なります。北海道では雪が長期間にわたり降り続く一方、沖縄では雪を見ることがほぼなく、穏やかな気候が続きます。
このような地域ごとの特性を考慮しつつ、冬の期間を定義するならば、最も多くの人が実感する 「12月から2月」 が妥当と言えるでしょう。
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